優勝は決まった!!
誰が優勝するかはまだ書かない。だが決まった。私はそういう大会しか開かない。
10月25日、日曜日。私の住む町を流れる鍬田川で、第1回 橋を叩いて渡る選手権を開催した。主催は私だ。司会も私だ。審査委員長、計時、実況、救護も私だ。誰にも頼まれていない。頼まれて開く大会など大会ではない!!
「石橋を叩いて渡る」という言葉がある。慎重な人のことを言う。これは長年、叩かれる側の橋の気持ちを無視してきた。どの橋が最も叩きがいがあり、最も渡りがいがあるのか。誰も順位をつけていない。国が放置している以上、私がやるしかない!!
念のため書いておくが、国は放置していない。橋は道路管理者が5年に1回、近接目視を基本に点検している。国土交通省の資料を読むと、その2巡目で点検された橋は719,864橋だ。多い!! 私はこの数字を見て身震いした。これだけいて、1位がいない。
なお本大会は点検ではない。工具は使わない。素手だ。橋に傷はひとつもつけていない。傷がついたのは別のものである。これは後で書く。
大会規則 全18条
規則は前夜のうちに書いた。公平だ!! 全文を載せる。隠すものは何もない。
第1条 本大会は、橋の優劣を公平に決定することを目的とする。
第2条 司会は石橋が務める。審査委員長、計時、実況、救護を兼ねる。任期は定めない。
第3条 選手とは、人が水の上を渡るために一時的にでも機能するものをいう。
第4条 打音審査は、右手中指の第二関節で、上流側欄干、下流側欄干、路面を各3打、計9打とする。欄干の無い選手は路面3打のみとする。
第5条 打音点は20点とする。音の説得力を見る。
第6条 渡河確信度は20点とする。渡り始めてから「これは渡れる」と確信するまでの早さを見る。
第7条 名称点として、名に「橋」の字を含む選手に10点、「石」の字を含む選手に40点を与える。
第8条 材質伝統点として、石を含む選手に50点を与える。
第9条 渡河試験は、選手の自己申告に代えることができる。
第10条 風格点は10点とする。司会の気分による。
第11条 審査員に不親切な振る舞いをした選手は減点する。
第12条 司会の誤りは存在しない。
第13条 第三者が選手に物品を与えることをドーピングとし、禁ずる。選手が自ら携行するものはこの限りでない。
第14条 同点の場合は、順位発表の時点で司会の近くにいる選手を上位とする。
第15条 飛び入りを認める。受付は司会が行う。
第16条 異議は書面により、閉会後に限り受け付ける。
第17条 閉会は司会が宣言する。
第18条 満点は閉会時に発表する。
どこにも問題はない。石に50点を与えるのは、ことわざが石橋を指名しているからだ。文化に対する敬意である。私の名前が石橋であることと関係はない。
開会
08:00 第一会場 鍬田大橋たもと
欄干にシーツの横断幕を結んだ。前夜にマジックで大会名を書いたのだが、シーツがマジックを吸って全体に滲み、読めるのは「第」だけになった。問題ない。第だ!!

来場者は2名。知人の柏木と、知らない犬だ。柏木には「昼飯をおごる」と言って来てもらった。犬は飼い主と通過した。通過も観戦の一形態である。
懐中電灯をマイクに見立て、開会を宣言した。
「ただいまより!! 第1回!! 橋を叩いて渡る選手権を!! 開会しない!!」
言い間違えた。第12条により誤りは存在しないので、今のは開会の前振りということになった。改めて「開始する」と宣言した。ここで「開会」という語を使わなかったことが、のちに効いてくる。
選手入場は難航した。橋は入場しない。協議の結果、司会が選手のもとへ入場することにした。選手宣誓も橋の代わりに私が代読した。「我々橋一同は、スポーツマンシップにのっとり、架かり続けることを誓います!!」柏木がスマホを見ていた。
08:20 第1試合 鍬田大橋
幹線道路の橋で、町内で最も大きい。欄干に近づき、規定どおり第二関節で打つ。
コッ。
コッ、コッ。
トラックが通った。聞こえない。もう一度。コッ。トラック。コッ。トラック。私はここで打音階を導入した。打音階とは、叩いた瞬間の音を本人がどれだけ「音だ」と感じたかを示す尺度で、私が今考えた。

打音点12。渡河確信度は高い。バスが渡っている。渡る前から確信できる。18。名称点10。材質伝統点0。風格は申し分なく9。ただしトラックで審査を妨害した点について第11条を適用し、5点減点。
合計44点!! 好発進だ!!
柏木が「橋は妨害してなくない?」と言った。異議は書面で、閉会後に限る!!

09:10 第2試合 第二鍬田橋
コンクリート橋。第一鍬田橋はどこにあるのか。町内に無い。第一を欠いたまま第二を名乗る度胸を、私は評価しなかった。風格5。合計43点。
09:50 第3試合 郵便局橋
地元ではそう呼ばれているが、郵便局は3年前に移転した。橋だけが残っている。銘板は読めなかった。打音点10、確信度15。歩道が狭く、自転車のおじさんと譲り合ったぶん確信が遅れた。合計41点。
10:25 第4試合 鍬田水管橋
川をまたぐ青い水道管である。橋と名乗っている以上、審査しないわけにはいかない。公平だからだ!!
柵があった。腕を伸ばした。届かない。もう一度伸ばした。届かない。第4条の1打目が打てない。

人が渡れないので第3条により失格。人を渡さない橋が橋を名乗ってはならない。水を渡しているだけだ。と実況したところ、柏木が「水には役に立ってるよね」と言った。書面で!!
ただしこの判定は、全国大会では大きな問題になる。熊本県山都町の通潤橋は、1854年に築かれた石造アーチの水路橋で、令和5年に国宝に指定された。こちらも渡すのは水だ。石で国宝なのに第3条で門前払いになる。司会として震えた。全国大会の前に第3条は見直す。この水管橋の失格は見直さない。
中だるみ
11:05 第5試合 ふれあい親水橋
河川敷の公園にある木の橋で、音が良かった!! コォン、と鳴る。初めて音らしい音がした。打音点18。喜んで3打目を強く打ったら、ささくれが刺さった。救護を要請した。救護は私だ。自分で抜いた。第11条で3点減点。
だが木の橋は揺れる。確信度が8しか出ない。計算すると40点。音がどんなに良くても、確信できない橋は上に行けない。厳しいようだがこれが大会だ!!
11:40 第6試合 第二鍬田橋Ⅱ
叩き終えて採点票を書いている途中で、柏木が言った。
「ここさっきの橋じゃない?」
さっきの橋だった。道を一本間違えて、同じ第二鍬田橋に別の方向から来ていた。私は2時間半前と同じ橋を、初めて見る顔で叩いていた。しかも初見の顔で「第一はどこだ」と実況していた。
第12条を読み上げる。司会の誤りは存在しない。したがって、これは第二鍬田橋とは別の選手である。第二鍬田橋Ⅱとして登録した。打音点は疲れのぶん6に落ちて、合計38点。同じ橋なのに5点負けた。第二鍬田橋は第二鍬田橋に敗れた。
12:10 昼食
約束どおり、そば屋で柏木におごった。ざるそば2枚。これは運営費に計上する。
柏木は、私が渡した規則を初めて最後まで読んだ。店のアンケート用の赤鉛筆を借りて、線を引き始めた。
「これさ、第7条」 「公平だ!!」 「橋の字が10点で、石の字が40点なのは何で」 「画数だ!!」 「橋のほうが多いよ」
石は5画、橋は16画だ。私は「画数の少なさだ!! 簡潔さへの敬意だ!!」と言い直した。柏木はそこにも線を引いた。
そばを食べ終える頃には、第1条の「公平に」を含めて14条に赤線が入っていた。全18条中14条である。無傷で残ったのは第3、4、5、6条だけだ。私は線の本数を数え、堂々と持ち帰った。

柏木が「で、石の橋って出るの?」と訊いた。
ここで正直に書く。私は下調べをしていなかった。前夜は規則を書くのに忙しかった。第8条の50点を受け取るべき石の橋が、午前の6試合に一本も出ていない。この町にあるのかどうかも知らない。
だが問題ない!! 午後に出る!! 開会前から決まっているのだ!!
13:20 第7試合 さくら人道橋
鉄の歩道橋。カァン、と鳴る。打音点17、合計47点で暫定首位に立った。
通りがかりの年配の方に「点検の方?」と訊かれた。「司会だ!!」と答えた。少し間があって、飴を2個くれた。第13条の第三者による物品提供に当たるかどうか協議したが、選手ではなく司会に渡されたものなのでドーピングではない。1個を柏木に渡そうとしたら、柏木はもう帰っていた。
14:00 第8試合 無名七号
橋名板が無い。欄干も無い。農道が川を越えるところに、ただコンクリートがある。7番目に見つけたので無名七号と登録したが、登録番号は第8試合である。この時点で番号の管理も崩れている。
路面を3打。コッ、コッ、コッ。名前が無いので名称点0。
風格3。合計24点。
ここから先のことはあまり書くことがない。一人だ。実況を続けているが聞く者がいない。橋は全部コッと鳴る。歩いて、叩いて、コッと鳴って、確信して、渡って、書く。中指の関節が熱を持っている。自販機の前のベンチで缶コーヒーを飲みながら、午前中に録音しておいた打音を再生した。全部同じ音だった。木と鉄以外は聞き分けられない。打音階の目盛りを、私はだいたいその場の体感で付けていた。
指節損耗が始まっている。指節損耗とは、中指が腫れて、叩いた音より痛みのほうが先に届く状態をいう。今考えた。

30分座った。誰も来なかった。司会が休憩を宣言していないので、大会は続行中である。私は自分に遅延行為の注意を与えた。
石
15:05 第9試合 鍬田神社 神橋
見つけた!!
神社の境内、小さな池に灰色の太鼓橋が架かっている。丸みがある。古びている。石だ。石橋だ!! 優勝候補がついに現れた!! 実況の声が裏返った。誰も聞いていない。

規定の9打を打った。コッ。
コンクリートの音である。いや、待て。石もコツと鳴るのではないか。私は石の音を知らない。もう一度打った。もう一度打った。欄干の角、裏側、親柱の付け根。指が痛いので打音階はもう読めない。規定を超えて31打、追加で打った。
親柱の付け根に、細い線が一本まっすぐ走っていた。型枠の跡だ。
石ではない。石に似せた何かだ。擬石である。
ここで第8条の解釈が問題になった。「石を含む」とは何か。砂利は石か。コンクリートの中の骨材は石ではないのか。そう認めれば町内のコンクリート橋が全部50点になる。全選手に50点を足しても順位は動かない。だが1位の点が上がる。それは困る。理由は聞かないでほしい。
審査委員長は審議の末、骨材は石に含まないと裁定した。石っぽさを認めて特例の5点だけ与えた。打音点13、確信度11、名称点10、石っぽさ5、風格9。合計48点。
暫定首位。だが石ではない。
15:50 第10試合 排水路の鉄板
川ではなく排水路に、工事の鉄板が一枚渡してある。第3条の「一時的にでも機能するもの」に完全に該当する。第3条は無傷の条文だ。私は誇らしかった。
路面の3打で、本日最高の音が鳴った。ガィィン。打音点19。鉄板はしばらく震えていた。その感動で渡ろうとしたら、靴が滑った。確信度6。第11条で2点減点。風格は1。名が無いので名称点も無い。
合計24点。無名七号と並んだ。

同点は第14条で決着する。順位発表のときに司会の近くにいる選手が上だ。ちなみに第14条に赤線を引いたのは柏木である。これのどこが問題なのか、私にはまだわからない。
16:20 第11試合 新鍬田橋
去年できたばかりの橋である。歩道が広く、段差が無く、確信度は一歩目で満点の20。だが音が小さく8。風格は4。無表情な橋だ。合計42点。何も悪くないのに印象が無い。こういう選手が一番困る。
16:50 第12試合 鴨渡し橋
町の端にある細い木の橋で、これで鍬田川は全部だ。右手の中指がもう曲がらない。私は左手で叩いた。第4条違反である。だが第12条がある。司会の誤りは存在しない。
コ、と鳴った。左手の中指は叩き慣れていない。打音点3。確信度5。名称点10。ただ、夕日を背負った細い橋がやけに良く見えて風格8。合計26点。
全12試合が終わった。
17時。首位は石に似たコンクリートの48点。本物の石の橋は、町内に一本も無かった。50点の席は、一度も埋まらないまま空いている。
飛び入り
17:15 第二会場 町内の用水路
帰ったはずの柏木が来た。そばの礼を言いに来たわけではない。封筒を持っていた。
異議申立書である。わざわざ書面にしてきた。第16条を読んでいる。立派な参加者だ!! 私は手のひらを向けた。
「閉会後に限る!!」

では閉会しろと柏木が言った。
その前に、第15条の処理が残っている。飛び入りの受付だ。私は受付の机に座り(机は無いので路上に立ち)、司会として「飛び入りはいませんか!!」と呼びかけ、一歩横に動いて「はい!!」と挙手した。受付に戻り、氏名を訊いた。石橋です。選手として登録した。
柏木の持っていた赤鉛筆が止まった。
第3条を読み上げる。選手とは、人が水の上を渡るために一時的にでも機能するものをいう。人であってはならないとは書いていない。無傷の条文である。
目の前の用水路は幅45センチ。水深3センチ。私は片側の縁に両手をつき、反対側の縁に両足をついた。
橋になった!!
「第13試合!! 飛び入り!! 石橋選手!! 素晴らしい架かりっぷりです!!」
実況は、架かっている本人がやった。下を向いているので声が水に当たって返ってくる。
打音審査に入る。私は架かっているので自分を叩けない。柏木に審査補助を要請した。柏木はしばらく黙って、上着を脱いで、シャツの袖をまくった。第4条の通り、上流側欄干3打、下流側欄干3打、路面3打。上流側欄干は私の右の脇腹である。下流側欄干は左の脇腹である。路面は背中である。
ボフ。ボフ。ボフ。
ボフ。ボフ。ボフ。
ボフ。ボフ。
9打目は、それまでの8打をまとめて返すような一発だった。第二関節ではなかったと思う。
「痛い!!」
審査員に不親切な振る舞いである。第11条により5点減点。私は厳正に処分した。打音点は、音に説得力がなかったので4点とした。自分に4点をつけた。厳しい。これが公平だ!!
渡河確信度。柏木に「渡れ」と言ったら、断られた。第9条により自己申告に切り替える。
「渡れる!!」
確信は一瞬だった。20点。
名称点。名に「橋」の字を含むので10点。名に「石」の字を含むので40点。
材質伝統点。ここで柏木が言った。「お前、人間だろ。石は含まないだろ」
私は体を起こし、上着のポケットに手を入れた。優勝トロフィーだ。朝に河原で拾っておいた丸い石である。閉会式で授与するため、ずっと持っていた。一日中、右のポケットが重かった。ここまで書かなかったが、ずっと重かった。

「含んでいる!!」
第8条は「石を含む選手」だ。含み方を問うていない。50点!!
「じゃあ、その石を橋に置けば全部50点じゃん」と柏木が言った。第13条を読み上げた。第三者が選手に物品を与えることはドーピングである。ただし選手が自ら携行するものはこの限りでない。橋は携行できない。私はできる。誰にでも開かれた条文だ!! 橋が石を持ち歩けばいいだけだ!!
風格点は司会の気分による。今、気分は最高だ。10点。
合計129点。
優勝は決まった!! 朝から決まっていた!!
最終成績
| 順位 | 選手 | 打音 | 確信 | 名称 | 材質 | 風格 | 減点 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 石橋(司会) | 4 | 20 | 50 | 50 | 10 | -5 | 129 |
| 2 | 鍬田神社 神橋 | 13 | 11 | 10 | 5 | 9 | 0 | 48 |
| 3 | さくら人道橋 | 17 | 14 | 10 | 0 | 6 | 0 | 47 |
| 4 | 鍬田大橋 | 12 | 18 | 10 | 0 | 9 | -5 | 44 |
| 5 | 第二鍬田橋 | 11 | 17 | 10 | 0 | 5 | 0 | 43 |
| 6 | 新鍬田橋 | 8 | 20 | 10 | 0 | 4 | 0 | 42 |
| 7 | 郵便局橋 | 10 | 15 | 10 | 0 | 6 | 0 | 41 |
| 8 | ふれあい親水橋 | 18 | 8 | 10 | 0 | 7 | -3 | 40 |
| 9 | 第二鍬田橋Ⅱ | 6 | 17 | 10 | 0 | 5 | 0 | 38 |
| 10 | 鴨渡し橋 | 3 | 5 | 10 | 0 | 8 | 0 | 26 |
| 11 | 排水路の鉄板 | 19 | 6 | 0 | 0 | 1 | -2 | 24 |
| 12 | 無名七号 | 9 | 12 | 0 | 0 | 3 | 0 | 24 |
| 失格 | 鍬田水管橋 | - | - | - | - | - | - | - |
11位と12位は同点だったが、順位発表のとき私は鉄板の上に立っていたので、第14条により鉄板が上だ。無名七号まで歩いて戻れば逆転していた。それだけのことである。公平だ!!
本日の記録も残す。
叩いた回数は118打。内訳は、欄干のある9選手に9打ずつで81打、欄干の無い2選手に3打ずつで6打、神橋への疑いの追加31打。叩かれた回数は9打。うち本気が1打。来場者は柏木と、通過した犬と、飴をくれた方の計3。町内の石の橋は0本。石を含む選手は1名。規則への赤線は全18条中14条。受理した異議は0通。
打音点だけで見れば私は下から2番目だ。そこは正直に公表する。審査の透明性である。
全国大会の開催について
この成績に手応えを得て、全国大会を計画した。本日の実績は1日あたり実数11本である(水管橋は叩けなかったが歩いて見に行った。第二鍬田橋Ⅱは同じ橋なので引いた)。先ほどの719,864橋をこのペースで回ると、
719,864 ÷ 11 = 65,442.18…
つまり65,443日。休みなしで179年と2か月。今から始めれば、2206年の1月に最後の1本を叩き終える。打数は6,478,776打。第4条には右手の中指と書いてあるので、中指が持たない。第12条で乗り切る。第2条に任期の定めは無いので、司会は交代しない。

柏木から、全国大会なら石の橋が出るだろうという指摘を電話で受けた。出る!! 歓迎する!! そこで通潤橋の配点を試算した。第3条を直して出場を認めたとして、名称点は「橋」の10点。「通潤橋」に石の字は無い。材質伝統点は文句なしの50点。打音、確信、風格がすべて満点でも、20、20、10を足して110点。
国宝は、満点を取っても私に19点届かない。
柏木は電話口でしばらく何も言わなかった。第18条により、満点は閉会時に発表する。
閉会について
大会は続いている。
柏木の異議申立書は第16条により閉会後に受け付ける。閉会は第17条により私が宣言する。私はまだ宣言していない。そもそも朝の時点で私は「開始する」としか言っていない。開会していないものは閉会できないという説も審議中である。
玄関に受付を設置した。折りたたみの椅子と小さな机、マイクの懐中電灯、そしてトロフィーだ。トロフィーの授与は閉会式で行う。したがって私はまだ優勝トロフィーを受け取っていない。受け取っていないので、ポケットに戻せない。ポケットに戻せないと、私は石を含まない。
閉会式で石を机から取った瞬間だけ、私は石を含む。問題ない!! 審議は尽くした!!

中指の腫れは6日目に引いた。柏木からは2通目の封筒が届いている。受付は開いている。閉会後に来てほしい。

石橋