石橋だ!!
ティッシュは1枚だけ取りたい。なのに2枚出る。ときどき3枚出る。箱ごと持ち上がる日もある。この問題に、人類はまだ決着をつけていない!!
だから決着をつける。第1回 ティッシュを1枚だけ取る選手権を開催した。司会は私だ!!
ルール
ルールは公平に決めた。
- 1人10回引く
- ちょうど1枚なら1点。2枚以上なら0点
- 箱が机から浮いたらマイナス1点
- 箱は1人1箱。近所のドラッグストアで5箱パックを買った
選手は蒲田、小松、ペルースプーン、ガリレオ・高尾山、そして私だ。司会が出場していけない決まりはない。確認したが、そもそも決まりがなかった!!
試合の前に、事故がないよう全部の箱を確かめると言って、私の箱だけ開けておいた。新しい箱の最初の1回は、ビニールの口にティッシュがかたまって出てくる。私はそこを先に9枚抜いておいた。安全確認だ。ほかの4箱は確認が間に合わなかった。時間の都合だ!!
小松、遅すぎる

一番手は小松だ。前の晩に家で400回練習してきたという。家のティッシュは全部なくなったそうだ。
小松は1回に40秒かける。指先で1枚目の端だけをつまみ、2枚目が付いてこないか目で確かめながら、少しずつ上げる。見ている間に蒲田がお茶を2杯飲んだ。
2回目が終わったところで、司会として新しいルールを足した。1回は30秒以内だ!! 試合を見やすくするためだ。小松は「後から足すのはおかしい」と言ったが、ルールはいつも後から必要になる。
小松はそのあと3回、30秒を超えた。その3回は1枚だったが無効だ。9回目は2枚出た。合計6点。引いたのは11枚だ。
蒲田、流行らせる
蒲田は引くたびに「ペラ抜き!!」と叫んだ。1枚だけ抜くことを、これからはそう呼ぶらしい。誰も呼ばなかった。
5回目で3枚出たときも「これは逆ペラ抜き」と言い張ったが、点にはならない。7点。引いたのは14枚。途中で鼻をかんだ1枚は数えていない!!
ペルースプーンと高尾山、反則すれすれ

ペルースプーンは自分の箱と高尾山の箱を並べ、両手で同時に引いた。「2つの箱を混ぜると、ティッシュ同士が遠慮しあって1枚ずつ出る」そうだ。遠慮しなかった。5回目に右の箱から4枚つながって出て、箱が浮いた。1枚だったのが6回で、浮いたのが1回。5点。引いたのは16枚だ。
ガリレオ・高尾山は目を閉じて引いた。「ティッシュは引く者の迷いを読む。見なければ迷わない」という説を唱えていたが、7回目は箱のない場所をつまんで空振りした。迷いがないぶん、箱の位置もわかっていなかった。6点。引いたのは13枚。
私、完璧
正直に書くと、30回を過ぎたあたりで会場はだれた。床は白く、誰も拍手をしなくなり、蒲田は座ったまま「ペラ抜き」を小声で言うだけになった。
そこへ最後の選手、私だ。安全確認ずみの箱から引く。1枚。1枚。1枚。気持ちいいほど1枚だ!!
7回目だけ、3枚つながって出た。審査の結果、ミシン目がちぎれていないので、これは1枚の長いティッシュと判断した。審査したのは私だ。小松が「さっきの蒲田の3枚と何が違うのか」と聞いてきたが、蒲田は3枚を3枚と言った。私は1枚と言った。違いは明らかだ!!
10点満点だ!!

結果
| 順位 | 選手 | 点 | 引いた枚数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 石橋 | 10 | 12 |
| 2 | 蒲田 | 7 | 14 |
| 3 | ガリレオ・高尾山 | 6 | 13 |
| 4 | 小松 | 6 | 11 |
| 5 | ペルースプーン | 5 | 16 |
高尾山と小松は同じ点だったので、司会への態度で決めた。小松はずっと30秒ルールに文句を言っていた。
50回引いて、出たのは66枚。1回1枚なら50枚で済んだ。16枚多い。私の安全確認の9枚と、蒲田の鼻の1枚を足すと、この日だけで76枚が箱から出た。
終わってから全員で箱に戻そうとしたが、1枚も戻らなかった。ティッシュは出るときは何枚でも出るのに、戻るときは1枚も戻らない。人類が決着をつけるべき問題がまた1つ増えた。第2回はそれでやる!!
優勝は私だ!! 書面はティッシュに書いたものは受け付けない。
異議は書面で受け付ける!!
石橋
